大学卒業後、福岡市内の中小企業に就職しました。社長との距離も近く、社員全員が同じオフィスで働く毎日。
でも、若かったのか、それに物足りなさを感じて20代半ばで全国展開の大手メーカーに転職しました。
福岡支社勤務での採用とのことでしたが、1年経ち辞令で東京に転勤に。。。
成長したい、チャレンジしたい思いはありましたが、東京で第一線で営業をしていくことに不安がありました。
でも、会社命令に背けることもなく東京に引越し。
東京での営業部隊は福岡での雰囲気と全く違い、意識が高いというか・・・
特に数字への意識が高く、毎日深夜まで残業し、自分のノルマと睨めっこ。。。
上司からの毎日の厳しい叱責に自分の成長のためだと思い聞かせて頑張ろうとしたのですが、悩みを聞いてくれる友達も少なく、深夜家に帰っても一人ぼっちで家族の近くにいた頃の有難さと平穏を懐かしく思いました。

親にも心配を掛けてしまうし、自分自身も一度決めたことは途中で辞めたくなくて本当は転職したくなかったのですが、お盆休みに地元に帰って地元の仲間たち家族との時間を過ごし、この平穏な毎日の貴重さを感じました。

Ｕターンということで、選考を受けるにも距離があるし不安ばかりだったのですが、ダメもとで就職エージェント九州に電話したときに同じく東京で働いて、転勤で戻ってきた社員さんもいて勇気付けてもらいました。
スカイプを使ったり、帰省のタイミングで面接を設定してもらったり交通費の交渉をしてもらったり、本当に色々お世話になりました。
現在は地元インフラ関係の仕事に就いています。
東京で働いていた頃よりはキラキラ感やギラギラ感はないですが心安らかに暮らせています。

ＳＥとしてのキャリアアップ、収入アップを目指して20代前半に上京し、福岡にいた頃と比べて関われるプロジェクトの大きさも違い、毎日を刺激的に過ごしていました。
また、収入も首都圏の相場ということで、福岡にいた頃よりも格段ＵＰして、東京での生活に何の不満もありませんでした。
むしろ、福岡で暮らしている友人達よりも少しだけ裕福な生活を送れることに優越感すら感じていました。

しかし、35歳を過ぎたあたりから最近、両親からの電話が多いんですよね。
20代の頃は盆やお正月ですら帰省をせず、そんな自分に両親も特に何も言わず、まぁ、男なので「元気にやってくれたらいいや」ってそんな感じに放っておいてくれてたんだと思います。

でも、最近は週1回くらいのペースで電話をかけてきては世間話をする・・・
母親だけならまだ分かるのですが、たまに父親も「元気か！？」ってかけてきたりしてちょっとびっくりです。
うちは2人兄弟で姉がいるのですが、姉も結婚して旦那さんの転勤で全国回っている状態で、もしかして、寂しい思いをさせてるのかなって思うようになりました。

気になって、お正月に実家に帰省したら、今まで気がつかなかったのですが結構両親も老いてしまってたんですね。
今まで意識して顔を見ていなかったから気がつかなかったのですがよく見たら白髪も増えているし、シワやシミも両親共に増えている。
声のハリも「昔はこんなんじゃなかったのになぁ・・・」って思ったら急に心配になってしまいました。

その時急に自分も寂しくなってしまって、Ｕターン転職、つまり福岡に帰ることを決意しました。
東京の頃に比べて収入が下がることは覚悟していましたが担当してくれたキャリアアドバイザーの方がＩＴ系企業各社に交渉をしてくれたようで結構いい金額の仕事が見つかりました。

こういう点では、東京で荒波に揉まれながら最先端のＩＴスキルを身につけておいてよかったと思っています。
さすがに実家には同居していませんが、福岡市内に住んでいたら週末にでもちょっと顔を見に行ったり実家のご飯を食べたりも可能ですし、家族の団欒を思い出すことで自分も早く家庭を作りたいなんて気もしてきました。