こんにちは。就職エージェント九州 国家資格キャリアコンサルタントの生田です。
新卒大学生さんたちの就職支援を始めてかれこれ10年になり、いくつかの大学や専門学校でも
非常勤講師として、キャリアのクラスを担当させて頂いています。
そんな私ですが、ここ2、3年の間に感じている変化が1つあります。
最近、20代前半の既卒の求職者がやたら増えたということです。
就職エージェント九州の創設時は、新卒大学生の就職支援がメインだったのですが
近年の公式HPからの会員登録を見てみても、既卒1年~3年目の求職者の方々がとても増えてきました。
非常勤講師をさせてもらっている学校でも、「〇〇さんが退職して挨拶に来るらしい」そんな声を職員室で頻繁に耳にします。
皆さんも、周りの方々で就職してすぐ辞めている人、増えたと思いませんか???
就職してすぐに辞めること、決してそれがダメなことというわけではないのですが
近年本当に増えたなぁ・・・と感じる毎日です。
なので、何がどうなって辞める人が増えたのかをちょっと考えてみることにしました。
若年者離職の原因①企業に原因がある場合
5年に1度のスパンで、厚生労働省が若年者雇用実態調査を行っています。
ちょうど平成30年度が新しい調査結果がでる年なのですが、まだ調査中とのことなので、
ちょっと古いですが、平成25年若年者雇用実態調査では下記のような結果が出ています。
【初めて勤務した会社をやめた主な理由】
労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった(22.2%)
人間関係がよくなかった(19.6%)
仕事が自分に合わない(18.8%)
賃金の条件がよくなかった(18.0%)
【出典】【厚生労働省】平成25年若年者雇用実態調査の概況 (4)初めて勤務した会社をやめた主な理由
私も、早期離職者の方の転職相談を受けたときに
「入社前言われた内容と入社後の待遇がまったく違うんです!!」と訴える方によく出会うので
あながち、この「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」というのは
「労働時間・休日・休暇の条件が変わった」という方が多そうですね・・・。
そんなヒドイ話あるのだろうか・・・
とこのブログを読んでくれている皆さんは思ってしまったかもしれませんが
「地元で勤務できるって聞いたのに、実家から遥か遠く離れた全然違う県勤務になってしまった」
「事務で月給17万円って聞いていたのに12万円くらいしかもらえていないから生活できない」
「定時は9時半からなのに、毎朝7時半には出社させられて勉強会や掃除をさせられる」
などなど、この数年で何件も聞きました。
特に、出勤時間のトラブルは本当によく耳にしますね。
残念ながら、30分~1時間くらいは特に地方の企業だったら早く来ないといけないことが少なくはないです。
ブラック企業でもなんでもない場合が多いです。
ただ、2時間以上はちょっと・・・社会人生活が大分長いおばちゃんコンサルタントの私でも
ちょっと嫌ですねぇぇぇ。
100歩譲って、早起きしないといけないくらいは、気合で何とかなるかもしれませんが
お給料が全然違うのは生活できなくなると死活問題なのでどうにもなりませんよね!!
私も、早期離職希望の相談の際に、企業からの悪質な対応があった場合は
職歴が短すぎたとしても「もう無理しなくて良いんじゃないかな?一緒に頑張って探そう!」とアドバイスすることが多いですね。
でも逆に、「うーん・・・もうちょっと頑張ってみても良いかもしれないよ???」とアドバイスしたい場合もあります。
それはどんな状況かというと・・・
若年者離職の原因②社員に原因がある場合
一言で言うと、学生気分が抜け切れていない自分が原因で会社が嫌になってしまうパターンです。
私がいつも大学のキャリアの授業で4年生後期にお話しする内容なのですが、
就職活動中の大学生の皆さんは、人事採用担当者からしたら「お客様」であり、「神様」です。
なので、内定をもらった後はよほどのことがない限り「内定取り消し」にはなりません。
学生の皆さんは「内定辞退」という選択肢があるにも関わらずです・・・。
従って、お客様である内定者が入社前に辞退してしまわないように
入社までの間は、とても優しく、いつも笑顔でどんな問い合わせ、相談にも親身になって接してくれます。
しかし、入社した後は、皆さん新入社員は会社という組織のヒエラルキーの1番下になるということを忘れてはいけません。
皆さん中学校、高校で部活動をしていた方はその時のことを思い出してください。
新入部員として部室に入るときは大きな声と笑顔で挨拶をさせられて
先輩を見かけて自分から挨拶をしなかったら、それだけでこっぴどく怒られませんでしたか???
授業が終わったら先輩よりも早く部室に行って練習の準備をしていたはずです。
会社もそれと一緒です。
入社後は、お客様ではなく、チームの一員。
更に皆さんはヒエラルキーの一番下。
誰より先に会社に来て、自分の仕事の準備をしたり、
先輩や上司には自分から挨拶をする。
それは、日本社会においては当然のことで、皆さんも子供のころから経験してきたことだと思います。
最近の「売り手市場」の関係で採用担当者である人事が過剰に親切にしてしまうので
入社した後「普通」に戻ることにショックを受けて
「急に冷たくなった・・・」
「アットホームな会社って言ったのにだまされた!」
と思ってしまうかもしれませんが、社会人は皆、仕事に追われて必死に働いています。
いつもニコニコおしゃべりばかりはしてられず、そして、「学生」から「社会人」へと皆さんに意識改革してもらわないといけないので
厳しくパキっと接することも教育係としては必要なのです。
意外と心を痛めながら、ミスをしたあなたに指導をしている先輩や上司もいるかもしれません。
特に、「遅刻や寝坊をする」「ミスなど自分の都合の悪いことの報告が遅れる」「気配りがたりない(気がきかない)」などの項目は
学生時代はゆるーく許されることもあったので、社会人になってうっかりやってしまうとめちゃくちゃ怒られてしまう点です。
現在4年生で、入社を待つばかりの新卒の皆さん、
どうか入社前に知っておいて下さい。
「入社前に会った人たちは、入社後毎日接しているとそんなに毎日優しくはないよ!」と。
人間だから当たり前のことで、
あまりにも会社に幻想や憧れを抱いて入社してしまうと
ショックが大きすぎてしまって、続けられなくなってしまいます
逆にある程度心の準備をして入社すると、「生田先生いつも言ってたけど、意外と優しいよ!うちの会社!」と
嬉しい声を卒業生からもらえるようになって、私のクラスの生徒は今のところ1年未満で辞めてはいません!
後はやっぱり、就職活動時の活動不足も早期離職の大きな原因にもなっていると思います。
若年者離職の原因③就職活動時の自己分析、企業研究不足
売り手市場になってからというもの、あっという間に内定が出るようになりました。
採用担当者も競争するように早く早く内定を出して学生さんを確保しています。
そんなに急いでいては、学生さんが翻弄されてしまうのではないか・・・
就職エージェント九州の会議ではよくその懸念点が話題に上がります。
昔のように、しっかり自己分析をやって
「自分が無理なく働ける場所はどんな場所だろうか?」
「背伸びしすぎて企業を選んでないか?」
「どんな人たちとだったら、今までの人生のように楽しく過ごしていけそうか」
そこを見つめられるのは自分自身しかいないのに
そこを見つめる前に「福利厚生」や「会社のネームバリュー」それだけで人生や将来を決めてしまって
自分がこれから毎日毎日やらないといけない仕事内容についてのイメージすらできていない学生さんとよく出会います。
実際に早期離職者の相談でも、
「もっと自分自身のことをゆっくり考えるんだった」
「誰かに相談して、就職活動を始めればよかった」
「お給料はいいけど・・・こんな仕事長く続けているイメージがわかない」
そんな声を聞きます。
本当に自己分析って大切なんですよ。
今の世の中は、「いい企業」ってみんな同じような企業を指差します。
でも、人間ひとりひとり、性格も違えば、好きなことも違います。
満足できるポイントも違うし、相性の良い人も違ってくると思います。
「いい人」も人によって「いい人」だったり「悪い人」だったりするんですよ。
なので、自分にとって何が「GOOD」なのかを「なんとなく」ではなく
「絶対そうだ」と思えるように色んな大人の話やアドバイスをもらいながら
じっくり考えて行ってください。
早期離職後の相談者の皆さんとは、
「今更だとは思わずに一緒にじっくり自己分析をしよう」
と、必ずそこからスタートしています。
新卒で就職活動中の方も、1年生、2年生、3年生の方も早い方が良いですよ!
私たち就職エージェント九州でもいいですし、
他の就活のプロの相談してもらっても良いです。
就職活動は一人でやらないで、プロにアドバイスをもらいながら
二度手間にならないように進めていきましょう